感染症などの非常時の利用について

介護保険における短期入所生活介護、いわゆるショートステイとは、何らかの事情で介護にあたれない場合に利用できる制度だ。ここでいう何らかの事情とは、冠婚葬祭や旅行、病気などのほか介護疲れなども該当する。
概ね65歳以上の在宅要介護高齢者などが、特別養護老人ホームや医療施設に原則7日以内入所するものだ。ホームヘルプサービスやデイサービスとともに、在宅福祉三本柱として、利用が推進されている。

しかし、感染症などが感染拡大する非常時の場合には、感染防止策として高齢者向けの介護施設におけるショートステイ事業などを休業させる事業所が増える傾向にあるため、注意したい。介護スタッフらに発熱や感染の疑いがあれば、集団感染を避けるため事業所を続けることができないからだ。
そのような場合に、もし同居者に感染の疑いが発覚した時はどうなるのだろうか。もちろんすぐにその同居者と要介護の家族を隔離しなければならない。
介護施設や医療施設に入所できないとなると、要支援や要介護1といった要介護の家族は、ホテルなどに避難して住んでもらうことになるだろう。その際、介護スタッフが食事の提供や多少の身の回りの世話をするような仕組みを準備しておかなければならない。

しかし、平時でさえ介護士などの不足は深刻であるのに、感染症などが感染拡大する非常時は、さらに介護の現場は逼迫する。仕組みを準備しようにも、なかなか進まない可能性があるだろう。そのため平時より非常時に備えて話し合いをいておくことが大切だ。